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    Googleアナリティクスの「ダイレクトトラフィック」とは?GA4時代の意味と対処法

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    Frank zhou
    ·2025年9月4日
    ·16分で読める
    GA4におけるダイレクトトラフィックを解説する分析ダッシュボードの抽象イラスト
    Image Source: statics.mylandingpages.co

    ダイレクト(Direct)は「ブランド指名でURLを直打ちした人」だけを指す——そう思っていませんか?GA4(Googleアナリティクス4)では、Directは「参照情報が欠けている流入の集合」であり、source/medium が「(direct)/(none)」に分類されたセッションを指します。チャネルの割り当ては主に source と medium に基づくルールで決まり、管理はプロパティ内のチャネルグループで行います(公式の説明は Google ヘルプ「カスタム チャネル グループ(GA4)」 に整理)。関連ディメンションの定義は Google ヘルプ「トラフィック ソースのディメンション(GA4)」 を参照してください。

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    1. 一言でいうと:Directは「参照元不明」

    • 含まれうるもの:URLの直接入力やブックマーク、UTM未付与のメール/チャット、SNSのDMやPDF内リンク、リダイレクトでリファラが落ちたアクセスなど。
    • 含まれないもの:参照情報(リファラ、UTM、広告クリックIDなど)が取得でき、既定チャネルの条件にマッチしたアクセス。条件に合わなければ「未割り当て」に入る場合もあります(回避策は Google ヘルプ「未割り当て、(not set)、ノーリファラーの回避(GA4)」)。

    2. なぜ2025年のDirectは増えがちか

    プライバシー強化の流れで参照情報が失われやすくなっています。SafariのITPはサードパーティCookie全面ブロックなどを早期に導入し(WebKit 公式ブログ「Full Third-Party Cookie Blocking and More」(2020))、Chromeも段階的な廃止を進行中です(Chrome Developers「サードパーティ Cookie の段階的廃止」)。さらに、リンク側やブラウザの Referrer-Policy/rel="noreferrer" 設定によってリファラが抑制されることもあります(MDN「Referrer-Policy ヘッダー」MDN「noreferrer(リンク種別)」)。

    3. よくあるDirect膨張の原因(実務で多い順イメージ)

    1. UTM未付与のリンク共有(メール、チャット、社内文書、PDF、QRなど)。対策は後述のUTM運用ガバナンスを参照(Google ヘルプ(未割り当て回避))。
    2. リダイレクトや短縮URLのチェーンでリファラ消失。
    3. Referrer-Policyrel="noreferrer" によるリファラ抑制(MDN「Referrer-Policy」)。
    4. HTTP→HTTPS、異オリジン/サブドメイン跨ぎ遷移で参照が切れる。必要に応じてクロスドメイン測定を設定(Google ヘルプ「クロスドメイン測定(GA4)」)。
    5. アプリ内ブラウザ(SNS/メッセンジャーWebView)での参照送信制限。
    6. プライバシー規制(ITP/Privacy Sandbox)で識別やストレージが制限(WebKit 2020 記事Chrome Developers 概要)。
    7. タグの遅延・同意未反映・ブロックにより計測が欠落。Consent Mode v2 の実装見直しが有効(Google Developers「Consent Mode(v2)」)。
    8. UA→GA4移行後の設定差異(チャネルグループやアトリビューション設定の見落とし)。

    4. 急増したときの診断フロー(チェックリスト)

    5. すぐ効く対策(運用・技術の両輪)

    6. GA4での見方と設定のコツ

    7. よくある誤解と落とし穴

    • Direct=ブランド指名の強さ、とは限らない
      • ダークソーシャルや技術要因が混ざるため、要因分解のない解釈は危険です。
    • 「Directを減らす」こと自体が目的ではない
      • 目的は正しいアトリビューション。適切なUTM運用、リファラ保持、チャネル設計、同意/タグ環境の整備で“本来のチャネル”に再配分することが重要です。

    8. まとめ:運用し続ける仕組みが勝つ

    2025年の計測は“欠損とどう付き合うか”がテーマです。定義を正しく理解し、原因を分解し、UTM・チャネル・同意・タグ・クロスドメインの基本を固める。必要に応じてサーバーサイドやMeasurement Protocolで補完する。こうした継続運用により、Directの過大計上を抑え、意思決定に役立つデータへと近づけます。

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