「監査レポートって専門用語が多くて難しそう…」大丈夫。この記事は、はじめてSEO監査レポートを「読む/作る」初心者のためのやさしいガイドです。2025年時点の重要ポイント(たとえば、Core Web VitalsでFIDの代わりにINPが使われる)にも触れながら、8〜10の主要セクションと、何を見てどう判断するかを具体的に整理します。INPの基準は、良好が200ms未満、要改善が200–500ms、不良が500ms以上と定義されています(2024年以降)と説明するweb.devのINP最適化ガイド(2025時点) とCore Web Vitalsトップガイド(web.dev, 2025) も参照しておくと安心です。
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レポート全体像:主要セクションの“地図”
まずは全体像。典型的なSEO監査レポートには次のようなセクションが入ります。
技術的SEO(クロール/インデックス、robots.txt、サイトマップ、正規化、ステータスコード、構造化データ など)
コンテンツ(タイトル/ディスクリプション、見出し、検索意図適合、重複・薄いページ、内部リンク)
キーワード(主要語/ロングテール、検索ボリューム、難易度、ギャップ)
競合分析(勝てる領域、差分、パワーページ)
被リンク(質とリスク、アンカー、否認の考え方)
パフォーマンス/UX(Core Web Vitals: LCP/INP/CLS、画像/JS最適化)
モバイル(レスポンシブ、タップ領域、フォント、CLS要因)
セキュリティ(HTTPS、混在コンテンツ)
計測/レポーティング(GSC、GA4、目標/KPIの見える化)
用語に自信がなくても、今は「どこに何が書かれるのか」だけ掴めればOKです。
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セクション別の要点と“見るべき指標”
「これは何?なぜ重要?どこを見ればいい?」を一気に押さえましょう。リンク先はすべて一次情報・公式の解説です。
1) 技術的SEO:クロール/インデックス、robots、サイトマップ、正規化
何を見る?
インデックス状況(インデックスされていないURLの理由)
robots.txtの設定、XMLサイトマップの正しさ
正規化(canonical)やリダイレクトの一貫性
なぜ重要?
そもそも検索エンジンに「見つけて」「理解して」「保存」してもらえなければ、順位の土俵に立てません。
チェックの勘所(公式の基礎)
ミニ質問:インデックスから確実に外したいページに「Disallowだけ」していませんか?→noindexが必要です。
2) コンテンツ:検索意図×基本最適化×内部リンク
ミニ質問:重要ページへ、関連する既存記事から内部リンクを張れていますか?
3) キーワード:現状×機会の両輪
何を見る?
自サイトの実データ(表示は多いがCTRが低い、11–20位の“惜しい”クエリ)
新規/関連キーワードの発掘と難易度
なぜ重要?
伸びしろのある既存クエリに手を打つのが最短。新規は将来の柱づくり。
実務の入口:自サイト実績はGSC、新規種出しはGoogle広告のツールも参考になります(広告ツールだがSEOの種出しにも応用されるとして、手順を詳述するAhrefsのGoogleキーワードプランナー解説(2024以降) が有用)。
ミニ質問:11–20位の“惜しい”クエリを3つ挙げられますか?
4) 競合分析:勝てる土俵を見つける
何を見る?
上位表示ページの型(情報/比較/取引)、共通要素、競合のパワーページ。
なぜ重要?
SERPの「勝ちパターン」を把握し、自社の勝てる差別化を見つけるため。
参考:監査ツールの比較観点を掴むのにSemrushのSEO監査ツール概説(年次更新) が俯瞰に役立ちます。
5) 被リンク:質>量、リスク管理も
何を見る?
不自然リンクの有無、アンカーテキストの偏り、nofollow/ugc/sponsoredの適切運用。
参考:Googleの外部リンクの適切な扱い(rel属性, 2025) では、スポンサーやUGCの明示、安易な否認の乱用回避の考え方が示されています。
6) パフォーマンス/UX:Core Web Vitals(INP/LCP/CLS)
ミニ質問:PSIでINPが500ms以上のページはありませんか?
7) モバイル:体験を壊す“小さなNG”に注意
8) セキュリティ:HTTPSと混在コンテンツ
何を見る?
全ページHTTPS、HTTP資産の混在(Mixed Content)の有無。
なぜ重要?
信頼性・安全性の土台であり、検索体験の質にも直結します。
9) 構造化データ:リッチリザルトと整合性
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優先順位づけ:影響度 × 実装難易度の2軸で決める
迷ったらこの順番でOKです。
クロール/インデックス障害の解消(影響大/難易度 中〜高)
Core Web VitalsなどUX速度のボトルネック(影響大/難易度 中)
コンテンツの基本最適化(影響 中〜大/難易度 低〜中)
外部要因(被リンク獲得・リスク低減)(影響 中/難易度 中〜高)
GoogleのSearch Essentials(2025) やAI検索時代の成功(2025) 、Core Web Vitalsドキュメント(2025) でも、技術要件・UX・品質の重要性が繰り返し示されています。
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サンプル監査“断面図”(テキスト例)
以下はレポートの1行サンプルです。自分のサイトに置き換えてみてください。
例A:インデックス登録
問題: 「クロール済み - インデックス未登録」が多数
指標: GSCのインデックス登録レポート件数
仮説: 重複/品質不足
アクション: 重複統合・canonical設定・サイトマップ精査(参考: canonicalの統合(Google, 2025) )
優先度: 高
例B:Core Web Vitals(INP)
問題: INP不良(≥ 500ms)のページが20%
指標: PSI/GSCのCWVレポート
仮説: JSの長いタスク、イベントハンドラ過負荷
アクション: 不要JS削減・長いタスク分割・イベント最適化(参考: INP最適化ガイド(web.dev, 2025) )
優先度: 高
例C:構造化データ(製品)
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よくある落とし穴と回避法
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はじめの一歩チェックリスト(無料中心)
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運用のコツ:小さく回して継続改善
ペース配分の目安:
月次:GSCの検索クエリ/CTR、PSIでのCWVざっくり診断、主要ページのメタ・内部リンクの微修正。
四半期:クローラーを用いた全体監査、被リンク/競合の差分チェック、優先度見直し。
迷ったら「影響大×実装中〜低」を先に。Core Web Vitalsの改善アプローチは、web.devのトップガイド(2025) が道標になります。
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まとめ
レポートは「道しるべ」。8〜10の基本セクションごとに“何を見る/なぜ重要/最初の一手”を押さえれば怖くありません。
優先順位は「クロール/インデックス → UX速度(INP含む) → コンテンツ基本 → 外部要因」。
ツールは最小セットで十分:GSC、PageSpeed Insights/Lighthouse、GA4、+必要に応じてクローラーと1つの競合/被リンクスイート。
このガイドのリンクをブックマークしておけば、判断に迷ったときの“公式の裏どり”にいつでも戻れます。今日の小さな一歩が、3ヶ月後の大きな成果につながります。がんばりすぎず、一歩ずついきましょう。